Saturday, July 19, 2014

島岡先生がまた本を出した! 2014

私の尊敬する島岡先生がまた本を出した。島岡先生がブログに情報をのせて知ったのである。

研究者のための思考法10のヒント 知的しなやかさで人生の壁を乗り越える

「どこにその書く時間があるのか?」という疑問はさておき、アメリカにいる複数の「島岡ファン」にさっそく連絡した。皆どうにかして本を手に入れるとのことである。

私は、島岡先生がボストンにいる時に知り合った。最初誰かから教えてもらった島岡先生のブログ「ハーバード大学医学部留学・独立日記」を読んでいて、その後プロ研のミーティングに一回来ていただいた。当時ハーバードのPI(principal investigator, ラボのトップ)として活躍されていて、雰囲気はまさに「よく研がれた切れ味バリバリの日本刀」という感じであった。その島岡先生のところに教えを乞いに行ってはマヌケな発言をし、数回バッサリ切られたような覚えがないわけでもない(笑)。だがこちら(私)も海外生活が長いので、多少切られたぐらいでは懲りない。あっちにも傷こっちにも傷である。そのハーバードでの「ものすごくよく切れる日本刀」時代に島岡先生が書いた本が研究者の仕事術である。炎がメラメラしているのがぴったりなのであった。

その島岡先生が何故か三重大に行かれることになった。その時「6ヶ月間ぐらい冬のボストンで、サメがいっぱいいると言われるハーバード大学医学部で、世界中から集まった超優秀な科学者と頭脳と政治とで凌ぎを削っていればメラメラ感もいっぱいだが、三重大のある津市は温暖のどか、そのうちメラメラ感がなくなってくるに違いない」と秘かに予測したものである。(私も三重県出身) だが島岡先生、のどかな津にいても全然健在である。ある日突然メールをもらってインターネット越しに三重大の聴衆に英語でセミナーをすることになった。なぜか私がその第1回スピーカーである。しかも島岡先生は効果をmaximize(最大限にする)方なので、数日前に「実はテレビが来る事になりました」と言われた。この最大効果を得る方法は、絶対アメリカで習ったに違い無い。「テレビー??!!」と思ったが、こっち(私)もそんなことで躊躇する性格ではないので、「まー、どうにかなるわな」と思って、セミナーを終了した。無事だったか無事じゃなかったは不明(笑) ちなみに親には「あなたの英語をきいたら、皆『あんな程度でいいんだ』と安心するわよ」と言われた。きっと皆安心したにちがいない。

ちょっと脱線するが、この「躊躇するかしないか」あるいは「腹をくくって」というのは大事である。私と同じ状況でも私は、「まー、どうにかなるわな」と思っているのに対し、躊躇する人はいて、「僕で大丈夫ですか?」ときいていたりする。「えー?どうしてそこで躊躇する!」と説教したくなるものである。シェリル・サンドバーグのLEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲によると、一般に女性は(アメリカ女性は?)「私で大丈夫かしら?」という人がいて、アメリカ人男性(←躊躇するアメリカ人男性なんて、きいた事ない)に遅れを取るそうである。シェリル・サンドバーグも昇進かなんかのチャンスを「私で大丈夫かしら?」と躊躇していて、旦那さんに「男だったら躊躇しないよ」と説得されて、今の地位である。日本人男性も躊躇するしね。特に日本サッカー選手がプレーしているのを見ると、「何躊躇してる! 行けー!!!!」と思う。 そういうことで、「まー、どうにかなるわな」というのは大事である。というか、私なんか、この「まー、どうにかなるわな」で人生渡って来た感じがするが。日本の恩師も私の留学が決まった時に「まあ、まな板の上の鯉になった気持ちで。。。あ、違うか」といってぐらいで。このブログのタイトルの下に書いたぐらいだし。

一応断っておくが、私は女である(笑)

話を本題に戻して。
その島岡先生最新作が「研究者のための思考法10のヒント」である。島岡先生に「本また出したんですね。今どうやって手に入れるか考え中です」というメールを送ったら、なんと羊土社の人にかけあってくれて、いただくことになった。条件はブログに感想分を書く事。これを日本語では献本というらしいが、本をいただいた方としてはなんと書けばいいのかは不明である。日本語は謎である。それにしても、またもや島岡先生流「効果をMaximize」である。こちらも躊躇しない方なので、「喜んでー!」ということになった。

ということで、読む前から激しく宣伝である(笑) これをWin-Winということにしておこう。それにしても、本をいただくとは、私も偉くなったものである(←感慨深げ)。これもブログを書いているからであろう。島岡先生の本「研究者の仕事術 その10」にあるとおり、発信力であるブログは大切である。

さてその本を待っているうちに実験医学7月号CRISPR/Cas特集が届いた。このCRISPR/Cas特集はこれまたお役立ちで、これ一冊で私の「CRISPR/Cas9って何?」という疑問が解けたので、おすすめである。その7月号に島岡先生の本の前書きが載っていたので読んだら、一気にどよーんとしてしまった。ちなみに前書きはこっちでも読める。一部引用。

日本→米国→日本と二重に相対化を行うことにより見えてきたものは、必ずしも明るいことばかりではありません。最も重大な問題の1つが、米国風の競争原理が劣化した形で日本に広がってしまったということです。競争原理の導入は、前提となる3つの重要な社会の整備である“情報開示・人材の流動性維持・セイフティネットの確保”とセットで行われるべきでした。しかし日本ではこれらの社会整備が不十分なまま、競争原理がグローバリゼーションとともに社会に押し寄せました。その結果として、個人は(情報開示が不十分なので)意識しないうちに自分ではコントロールできないリスクに曝され、(人材の流動性が低いので)一度失敗すれば再チャレンジが効かず、(セイフティネットが確保されていないので)常に不安に苛まれ、自己責任を強要されるので孤立してしまいます。そして今後ますます個人の満足度や幸福度は低く抑えられることが予想されます。

もう一つ引用。

常勤ポジションの空きを待つための
非常勤ポジションの空きを待つための
無給のポジションという年功序列下部構造

なんてこったい。「一度失敗すれば再チャレンジが効かず」とは、こわくて何か新しいことにチャレンジできないではないか。私の「まー、どうにかなるわな」作戦が使えないではないか。最近も「ホームランを狙って思いっきり空振り」とかしたぞ。もし日本に行ったら送りバントのみ? そしてアメリカの制度がいいか悪いかはともかく、その日本の無給のポジションって一体なに? 私の場合万が一私の研究費が切れれば大学からバイバイされて、その後どこかに職を探すことになるが、こちらキリギリス国にいるアリなのでキリギリスと共に振る舞うことにして、どうにかなるだろうと思っているし、それまではホームラン狙うなり、送りバントなりする予定であるが。

そしてその前書き以降の「研究者のための思考法10のヒント」には何が書かれているのか? 乞うご期待! 

今日の教訓 失敗しても大丈夫なアメリカ、失敗が許されない日本

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地獄の英語教室、はじまりはじまり
やるべきことが見えてくる 研究者の仕事術

2 comments:

mak said...

不適切なコメントかもしれませんが、日本のSTAP細胞騒動、それこそ、「ありえなさそうでありえる」ことにみえますが、メディアの担ぎ出した大騒動なんでしょうかね。海外におりまして、ユニットリーダー、研究所、マスメディヤのやり取りは目に余るものです。「失敗の許されない日本」を暴露しているのでしょうか。それともSTAP細胞「つづき」編で、ファールボールがホームランになるのでしょうかね。2325

Kay said...

日本のSTAP細胞騒動は最初はチェックしていたのですが、途中から面倒になってしまってチェックしてません(笑)