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ボストン周辺にバイオ系の会社集積中

今日見つけた記事。 大学との提携に力 武田ウェバー社長に聞く(日経新聞) 引用。 武田薬品工業は、新薬の種を探す研究活動と新薬の種を医薬品に仕上げる開発活動の海外拠点として、米国ボストンを中核に位置づけると発表した。英国ケンブリッジの研究拠点を閉鎖し、研究員は日米に集約する。 引用終了 おー。 もう一つ引用。 「日本だけでなく世界共通の課題でもある。いま新たに発売される薬は、半分以上が大手製薬会社が自前で開発したものではない。一説には新薬の約60%が大学やバイオベンチャーによってまず開発が始まり、その後大手に導入されたものだ」 「それだけに大学やバイオベンチャーとの効果的な提携が製薬会社の成長のカギを握る。ボストンという街はイノベーションを生み出す生態系を備えている。理系の大学、病院、ベンチャー企業、投資会社が集積し、ボストンに拠点を構える製薬会社も増えている」 引用終了。 おー。 せっかくなので、その「一説」の記事をここに載せておこう。 The importance of new companies for drug discovery: origins of a decade of new drugs (Nature Reviews Drug Discovery) 前どこかで発見した記事である。こういう情報は大切だもんね(笑) 他の製薬会社も是非来てください。 今日の教訓 ボストン実はすごいところ? 過去のブログ ・ 大学同窓会企画中 (同窓会を企画したら、半分薬学部出身だった話+MITの周辺のバイオ系の会社集積マップ)

時間と研究費(さいふ)にやさしいエコ実験

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あついですよ。 なぜかエアコンをつけていないで夏を過ごしている私である。ボストンはいつもは1〜2週間ぐらい耐えたら暑さが終わるので、重くてうるさいエアコンを窓につける気がしないのである。 ところが今年はなぜかいつまでも暑い。今日は35度まで上がり湿気たっぷり、まるで日本を思わせる暑さであった。 そして当然のように大学のラボのエアコンが壊れて、5時間ぐらい暑かった。前買っていた扇風機を皆で取り出して設置したり、コールドルームに逃げ込んだり。あついですよ。 前にとったデータに従って、朝起きたらまず窓を閉める のであるが。夜11時の外の気温はまだ30度、中は28度である。あついですよ。 さて本題に入って。 「時間と研究費(さいふ)にやさしいエコ実験」 が届いた。これ、私も執筆に参加しているのである。お手製ELISAのところである。ELISAものによっては非常に高いので、お手製にしてしまう価値ありである。キットの値段をみるたびに「私もELISAの会社作ったほうが儲かるのでは!」と思うのであるが、今の所そういう話はない。ボストンに来た時にキット(1プレート約5万円)をお手製(1プレート約2000円)に変更して、ラボメンバーと一緒にまさに心置きなく、湯水のように使ったのである。今でもちょっと特殊なELISAキットだと結構な値段するしね。 そのお手製ELISAの話を書いたのを実験医学に載せてもらい、それが単行本になった。 私もついに作家デビュー!!!! というほど書いてないが、とりあえずCVに書いておこう。2500円もするのでちょっと高いが、2500円なんてのは研究室で使う金額としては全然安いし、節約レベルはものすごいので、「研究に使う実験参考書」ということにして各研究室で購入していただけるとよろしいかも(笑)。あ、でも究極のエコ実験としては、「共通機器」として回し読みかもしれない(大爆笑)。  さてこの本、読めば読むほど村田先生(編集者であり一番ネタの貢献した人)の計り知れない優秀さがひしひしと感じられる本である。特に唸ったのはベクターのところと、ウェスタンのところとデータベース・ウェブツールのところである。いやはや、世の中にはbrilliantな人がいるものですよ。まったく。 ということで、見習ってデータベース・ウェブツールを使っていると

Lupus Clinicのウェブサイト

昨日うちの仕事場のLupus Clinic(ループス クリニック)のウェブサイトがついに完成した。私のやっている病気はSystemic lupus erythematosus(全身性エリテマトーデス)といって、日本では膠原病に属する。 手強い病気である。 そういうことで、リンク。 Lupus Clinic | Boston Medical Center Lupus Clinic自体はうちのボスが数年前(5年ぐらい前?)に立ち上げていたのである。やっぱウェブサイトが必要よね?といいつつ大分たっていたのであった。 やっと出来ました! 担当の方ご苦労さまです。 ってか、担当の人は全然別の仕事がたっぷりあるのだが、必要だから頑張ってやっていたのであった。 ほんとご苦労さまです。 Bench to Bedsideという言葉があるが、うちのラボはそんな感じである。 私は主にBench(ラボの実験台)担当(基礎研究)で、他の人たちはPhysician Scientistsである。Physician scientistsは医者であり、臨床もしながら研究もする人たちである。 The physician scientist: balancing clinical and research duties によるとアメリカの医者の1.6%しかいない(2011年のデータ)。貴重な人たちである。どこにその時間があるのかは不明(笑) その人たちに臨床の初歩的な質問しながら、研究をしているのである。いや、お医者さんに質問しながら基礎研究するのって、面白いよ。 今日の教訓 ウェブサイトが出来てめでたしめでたし。 過去のブログ ・ Walk to end lupus now (ループスを治すために歩く)

大学同窓会企画中

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何を思ったのか、ボストンで大学の同窓会企画中である。「私の大学は一匹狼の群れにちがいない」と思っていたので、結局私と同級生が集まって、飲み会になるんじゃないかと思っていたが、参加表明をいただいているので、嬉しい限りである。 なんと半分ぐらい薬学部出身! (私も薬学部出身) 不思議である。薬学部の定員は80人だったか100人だったかで、大学の一学年の定員は2500人ぐらいである。どう考えても数があってない。 原因その1 私が薬学部出身なので、張り切って誘っている。 原因その2 ボストンは大学と病院とバイオテックと製薬会社と多いので、それで薬学部の人たちが自然と集まってきている。  これは2014年の地図で、今じゃんじゃんビルを建てているので、これよりももっと多いと思う。 サイエンスで見つけた地図 だが、元ネタを見つけてよかったよかった(笑) それにしてもこの地図すごいよね。私もどこかにコラボしに行こうかしら。 同窓会で思い出したが、最近大学が「生涯メール」という一生もののメールを交付することにしたらしく、申請してメールアドレスもらった。 今日の教訓 とりあえず同窓会。 過去のブログ ・ アラムナイ ・ Alumni(アラムナイ)ネットワーク出現!

映画ツイスターに見る研究費獲得方法

というすごいタイトルにしてしまったが、昨日みた映画の話。まず ウィキペディアからの引用 。 『ツイスター』(Twister)は1996年に公開されたアメリカ映画である。アメリカの竜巻多発地帯を舞台として、竜巻に極限まで接近し、危険な観測に挑む竜巻研究者夫婦の姿を描いた。 スピルバーグ製作総指揮、監督はヤン・デ・ボンである。脚本をマイケル・クライトンが担当した。ヤン・デ・ボンの監督作としては『スピード』に続く第2作である。コンピュータグラフィックスによって迫力ある竜巻がリアルに再現された。視覚効果はILMが担当している。 引用終了 今からネタばれまくりになるので、ご注意ください。 研究者のジョー(女性)は、昔竜巻のせいでお父さんを失ったために、「竜巻警報の予測精度をあげるため」竜巻の研究をしている。離婚寸前の旦那のビルがやってきて、離婚を迫るが、彼が昔にデザインした「ドロシー」(ドロシーはオズの魔法つかいのドロシーね)というセンサーを使って竜巻の動きのデータをとるというジョーの話にのって、一緒に竜巻を追いかける。 そこに企業からお金をもらった研究者グループが競争相手として名乗りをあげて、話がややこしくなる。  あれやこれやでジョーとビルは竜巻で結構死にそうになりながら、やっとドロシーを打ち上げてデータを取り、ジョーは「やっとこれで研究費が獲得できる! これでラボを運営できる!」と言って喜びながら終わり。 すごくないー? マイケル・クライトンどんだけ内部事情知ってるねん! NIHの研究費申請書では、 Significance(なぜその研究が重要か) Innovation(新規性) Research Strategy(研究方法) という3つを書く。審査では「PIのプロダクティビティ」と「Institute(所属施設)の充実度」の5分野で採点される。 ということで上の竜巻研究について。 Significance 竜巻警報の予測精度をあげることが肝心。映画では「3分しかなかったので逃げ遅れた」というおばさんが出てきていた。3分じゃ怖いよねー。映画を見たときに、どうして竜巻の避難所は家から少し離れてるのか?と思っていたが、最後でわかった。家がぶっ壊れるからである。地下に逃げて上で家がぶっこわれていたら話にならない。 Innov